簡単な書類を送る際、最近ではスマートフォンで写真を撮影して送ることも増えてきましたが、FAXも未だに現役です。小規模の事業所などで外部にFAX番号を公開している場合、好むと好まざるとに関わらず、広告が送られてくることがありますが、それらにかかる紙などのコストはなるべく抑えたいものですが、家庭用FAX本体の画面だけではわかりにくいこともあります。
オフィス用の複合機では画像ファイルとしてメールやファイルサーバーに転送可能な機種がありますが、家庭用の機器とFlashAirを利用して、受信したデータをNASに転送する仕組みを作ったので紹介します。それぞれの機器の関係は図のようになります。
NASに転送することで、LAN内のどの端末からも受信内容を確認できるようになります。印刷も任意のプリンタからできますのでFAX本体のインクフィルムは使わずに済みます。
ここで述べる方法は少々面倒です。「もっと簡単に!」というときには、2015年発売のパナソニックKX-PD102DLではスマホを登録してFAX受信の連絡・確認や受信データのメール添付が可能になっています。FAX付属の説明書通りで使えるはずなので、こちらを利用しても良いと思います。(今回紹介するNASへの自動転送はできません。)
話をFlashAirを使った仕組みに話を戻します。
最終的にはFAXを受信後、FlashAirで画像をNASに転送し、PC等にメールを送るようにしますが、まずはNASへ自動転送させます。
実際に使用した機器の紹介と補足を列挙します。
- FAX パナソニック KX-PD601W
SDカードに自動保存されるタイプのものが必要です。
現行ではKX-PD600が同じような仕様です。
- 無線LAN機能付きSDカード 東芝 FlashAir W-03
SDカードに無線LANが内蔵されています。機能に制限はありますが、スクリプトを書くことで能動的な作業をすることができます。
FlashAirは第3世代のW-03というシリーズが現行です。第2世代までのFlashAirはLuaスクリプトに対応していません。
容量は一番小さい8GBで十分です(Fax1枚が1MB以下です) 。
- NAS QNAP TS-131
FlashAirから自動転送します。ここ数年でNASの種類が増えてきましたが、基本のファイル共有機能の他にFTPで転送するのでFTPサーバーの機能が必要です。また受信があったことをメールするので、shでsendmailなどが使えるほうが望ましいです。
FAXとNASは別目的で以前より使っていたものです。条件に合うものなら使えると思います。家庭用FAXの販売は事実上パナソニックとシャープのみで、そのうち、SDカードに保存できるのはパナソニックの中位機種以上になっています。従ってFAXについての選択肢はそれほどありません。
一方NASについては台湾のメーカーを中心にどんどん新機種が発売されています。多目的に使えるものが多い分、値段も様々ですので、機種選定は難しいと思います。ですが、今回使う機能はQnapのものであれば基本的な機能です。他社(SynologyやAsustorなど)のLinuxベースの機器でも大丈夫かと思います。
次回は画像保存されたときにFlashAirからNASへFTP転送するしくみについてです。
「FlashAir(無線LAN機能付きSDカード)で家庭用FAXの受信データをNASに自動転送する (1)準備編」への2件のフィードバック