過去に録りためたMDを整理することにしました。既にMDを新しく作ることはなくなって久しいのですが、なかなか整理ができずにいました。再生機器もだんだんと少なくなってくるので、次のメディアに移行できるうちにしておくことにしました。
MDとPCの親和性の低さはかなりのレベルです。CDからBlu-lay、メモリカードなら多くのPCで読み込めますが、MDだけは特別で、一般的な機器ではアナログでの接続しかできません。MDの末期にはPC用のメディアとしての利用も可能だったようですが、その役割はMOになり、MDは音楽用としてのみ使われる結果になりました。
MDの時代の末期も最終末にソニーからMZ-RH1というMD Walkmanが出ました。これはUSB接続でそのままPCにデータを転送することができます。
ATRACで圧縮されていますが、デジタルで転送できるメリットは非常に大きいと言えます。MZ-RH1は2011年に製造が終了していますので、新品はプレミアがついている状態です。しかし、同機種のレンタルを行っている業者もありますので、取り込みを行うためだけなら数週間レンタルをするというのも一つの方法だと思います。
MZ-RH1の使用上の注意ですが、機械そのものより、付属のソフトウェアの制限が主な点です。ダウンロードできるSonic Stage Vやx-アプリは無印XPでは動かず、SP3が必要です。Windows8ではMZ-RH1とうまく接続できません。
x-アプリには曲名等をタグ付けできる機能がありますが、この検索にそこそこ時間がかかります。数分といったところですが、枚数が多くなるとこの数分が馬鹿になりません。機械をレンタルしている場合は、とりあえず取り込んでおいて、あとから曲名を検索した方が良さそうです。
取り込んだファイルは.omaという拡張子で保存されます。再生ソフトの対応は少ないので、もう少し一般的なフォーマットに変換することになると思いますが、WAVファイルに変換すると、せっかく付けた曲名などが消えますので、omaファイルもそのまま保存しておくことをお勧めします。MD1枚で大きくても200MB程なので、今のHDD等の容量からすれば、なんとかなるサイズだと思います。
いろいろ制限はありますが、アナログでの転送に比べると圧倒的に便利です。3から4倍の早さで転送できますし、曲ごとの切り分けも自動で行ってくれますので、CDからiTunes等での取り込みと同じ感覚です。
MZ-RH1の製造が終わってしまい、残念ですが、2006年発売で、生産終了が2011年ということを考えると仕方ないところかと思います。PCに転送できるようにしたというのが、メーカーの最後の良心だと言えるかもしれません。転送できる機械もいずれは壊れて無くなってしまいます。データに少しでも未練があるのであれば、転送できるうちに次のメディアに移行しておくことをお勧めします。ついでに、omaファイルはSonyのソフトでしか読めなくなる可能性もあるので、オープンな形式の何かに変換することも必要になるでしょう。ひとたびPCで扱えるデジタルデータにしてしまえば、その次の移行はかなり楽になります。
今回MDについてネットでいろいろ調べてみたところ、海外ではほとんど普及しなかったという記述がありました。そういえば、2000年ちょっと前くらいにヨーロッパから来た留学生は日本で録再MD Walkmanを買ったあと、うちのCDデッキにMDを繋いでうちにあったCDをせっせとダビングしていました。「機械が高い」と言っていたような気がします。その後、CD-Rが普及してダビング用のメディアとして使われなくなり、フラッシュメモリ型のオーディオが出て、ポータブルプレーヤーとしての役割も縮小していきました。MPMANという32MBのフラッシュメモリ型のオーディオを結構な値段で買った覚えがありますが、それも2000年より前だったと思います。
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