自宅では各部屋にLANを引いてあるため、必要な場所に無線LANの親機(以下AP)を設置して使用していました。各部屋でそれぞれSSIDがあり、パスワードがあるため、管理が煩雑になります。また、各端末も一度接続したAPに接続し続けようとするため、近くに条件のよいAPがあるにもかかわらず、遠いAPに繋ぎ続けているという事もよくあります。
状況の改善のため、メッシュ中継機能をもつNEC Aterm WG2600HP4を複数台設置する事にしました。この機種は各APを無線または有線で接続し、バックホール(backhaul)とすることができます。安定した通信を行うためにはバックホールは有線の方が望ましいので、現状の各部屋の配線を利用する事にしました。
目指した条件は以下の通りです
- ルータ機能は使わない。(ブリッジモード)
これは、既存のAPの置き換えを目的としているため、プロバイダの設定や、固定IPの割り振りの設定は別のルータを使用するためです。無線の機器と分ける事でトラブル時に原因の切り分けがしやすくなります。 - バックホールは有線で。
メッシュWifiのウリは無線だけで中継しWifiのカバーする領域を広げることと宣伝される事が多いのですが、前述の通り、有線のほうが安定します。また、無線の帯域を子機との通信のみに使用することができます。 - ルータから離れた部屋にメッシュ親機を設置する。
これは少々わかりにくいのですが、配電盤の関係で、ルータ付近はAPを置く位置としてはイマイチなので、別の部屋にメッシュ親機を設置します。
事前にメッシュ中継機の設定をします。メッシュ中継機の設定は簡単です。メッシュ中継機側APのモードスイッチをコンバーターモード(CV)にしてから、同機のWANポートとメッシュ親機側APのLAN(WANでなはい)ポートを接続します。しばらくすると、各種設定が転送され、メッシュ中継機として使えるようになります。
説明書にある接続方法は以下の図のようになります。メッシュ親機にルータからの線と、メッシュ親機からメッシュ中継機への線が出入りするので、実質的にはルータと同じ部屋にメッシュ親機を設置する事になります。全ての機器(その他のPC等も含む)は、メッシュ親機のLANポートに接続します。
部屋1: ルータ |
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┌ |
メッシュ親機 ←ルータからのケーブルをWANポート ←メッシュ中継機や他の機器をLANポート (ブリッジまたはルータモード) |
│ | ←この配線をバックホールに | |
├ │ |
部屋2:メッシュ中継機 WANポートに繋ぐ(コンバーターモード) |
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│ | ||
├ │ |
部屋3:メッシュ中継機 WANポートに繋ぐ(コンバーターモード) |
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│ | ||
├ | その他のPC等 |
次に、ルータから離れた部屋にメッシュ親機を設置する配線です。ルータからの配線は各部屋に分岐します。メッシュ親機のLANポートに接続し、ブリッジモードで使用します。メッシュ親機のWANポートは使用しません。
メッシュ中継機はコンバーターモードで、WANポートに配線します。
ルータ | ┬ │ |
部屋1:メッシュ親機 LANポートに繋ぐ!(ブリッジモード) |
│ | ←この配線をバックホールに | |
├ │ |
部屋2:メッシュ中継機 WANポートに繋ぐ!(コンバーターモード) |
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├ │ |
部屋3:メッシュ中継機 WANポートに繋ぐ!(コンバーターモード) |
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├ | その他のPC等 |
二つ目の方法は説明書に記載はありませんが、現在のところ問題なく使用できており、メッシュ親機の設定画面からも有線でのバックホール接続を確認できます。